不動産売買の契約が決まったら

 

実際に内見が済み、価格交渉が終わり、同意すると売買契約の締結となります。

 

7.売買契約の締結

 

買主との交渉を経て、売買価格が決まれば、いよいよ売買契約の締結に進みます。

 

契約行為は当事者の合意さえあれば成立するので、売買契約は必ずしも書面でなくても問題ないですが、大きな金額が動く不動産では書面での取り交わしが普通です。

 

売買契約書は不動産会社が作成し、内容を相互に確認して署名押印していく流れです。

 

売買契約書を取り交わすと、お互いに法律的な義務が発生するので、契約違反にならないように努力しなくてはなりません。

 

売買契約によって、買主から売主へある程度まとまった手付金が支払われます。

 

この手付金は、売却代金の一部ではなく、解約しないための保証金のようなもので、解約がなければ最終的には売却代金の一部として精算されます。

 

また、不動産会社は売買契約が成立した時点で、仲介手数料の請求権を得ます。

 

手付金の方が仲介手数料よりも多いのが通常ですから、仲介手数料の支払いに困ることはないとしても、売買契約で半分、決済後に半分という形態も多くあります。

 

手付金の金額や扱いについて

 

一般的には、手付金の額を売買価格の1割程度以上にしておく方法が使われます。

 

どちらかが解約を申し出るとき、相手に手付金を支払う方法が用いられるので、手付金が少なすぎると解約しやすくなってしまうからです。

 

買主からの解約:売主に支払った手付金を放棄

 

売主からの解約:買主から受け取った手付金を倍返し

 

このように、解約する側が手付金と同額を失うようになっており、あまりにも高額な手付金は、お互いのリスクを高めると同時に安すぎても解約リスクがあります。

 

そのため、売買価格の1割から2割程度までが、妥当な手付金とされています。

 

決済までは時間がかかる

 

売買契約をしても、すぐに決済されるかどうかは、買主の都合によります。

 

もちろん、決済日を踏まえて売買契約されるので、あまりにも待たされるようなら最初から契約しない選択もありますが、売り逃したくなければ我慢するしかありません。

 

ほとんどの場合、即金で支払える額ではなく、ローンで用意するには金融機関の審査があって、それも通過するとは限りません。

 

ローンを利用する買主には、2ヶ月程度は期間を与えないとならず、その間拘束される不利益を受けますが、仕方がないでしょう。

 

8.決済と登記

 

不動産取引では、余程の少額でない限り、決済を振込による確認で行うので、多額の現金を持ち歩くことはありません。

 

売買代金の授受以外にも、所有権を売主から買主に移転させる登記手続きを必要とし、どちらかを先にしてしまうと詐欺ができてしまう性質から、登記は決済と同時に行うことが理想です。

 

しかしながら、代金の授受と登記を(買主)一人で同時に行うのは物理的に不可能なので、信頼できる第三者であり、登記手続きを依頼できる司法書士に託されます。

 

よって、売主と買主、それぞれの不動産会社の担当者(売主と買主で共通の場合もある)、司法書士による同席で決済が行われるのが通常です。

 

登記にもいつくつか種類があり、多くて所有権移転登記、抵当権抹消登記、抵当権設定登記の3つです。

 

抵当権抹消登記は売主が売却によってローンを完済した場合、抵当権設定登記は買主がローンで融資を受けた場合に行われます。

 

どの登記も、すべての必要書類は決済の場でそろえられ、司法書士が確認します。

 

決済は売却代金の振込による確認を必要とすることから、銀行の一室を借りて行い、銀行員が介在して入出金の確認を相互に行いますので、登記は司法書士が必要書類を持って法務局に行くのをその場で待つか、解散して後日連絡されるどちらかでしょう。

 

売買代金以外のお金も必要

 

売買代金の決済が終わると、続いて諸費用の精算を行います。

 

土地や空き家の場合には公共料金が発生していることは少ないので、固定資産税(都市計画税を含む)のみが対象ですが、直近まで住んでいるなら公共料金も清算します。

 

固定資産税は売買しても支払義務者は変わらず、1月1日時点での所有者が支払う税金なので、売主が支払わなくてはなりません。

 

ですから、所有権の移転日以降に相当する金額が、買主から売主に渡されます。

 

また、不動産会社への仲介手数料が全額支払われていなければ、決済後に支払います。

 

他にも司法書士への報酬もありますが、一般には買主負担の契約が多いようです。

 

9:買主への引渡し

 

決済が終わると(厳密には所有権移転登記が終わると)、その土地や家は買主のものになります。

 

土地の場合は、そこに売主の所有物がないことを事前に確認しておくだけで事足りますが、家の場合は事前に引っ越しを済ませ、売買契約で定められた必要な修繕等があれば、すべて完了しておかなくてはなりません。

 

ただし、事前に引渡しの猶予を定めている場合はその限りではありませんし、決算後に売主側で解体を行う契約なども考えられます。

 

いずれにしても、決算日には買主の物になることが前提なので、何らかの事情でそうできないのであれば、事前に話をつけておかなければトラブルとなるので注意が必要です。

 

通常の方法であれば、事前に引き渡せるまでの準備を済ませ、決算日当日は鍵を買主に渡すだけで引き渡しは終了です。

 

まとめ

 

家や土地の売却とは結局のところ、その不動産の所有権移転を目的とした金銭のやり取りです。

 

すべては買主へ所有権を移転するために、価格査定から引渡しまでの一連の流れが必要で、特に農地では法律に従った特別な手続きが必要なので気を付けましょう。

 

売主としてはどの手順においても気を抜けませんが、1つは売買契約の成立、もう1つは決済の瞬間が最も緊張するタイミングです。

 

不動産の売買は日用品のように手軽には行えず、買主が見つかるまでに数ヶ月から数年、買主が見つかっても決済までに時間がかかってしまいます。

 

また、場合によっては測量や境界確認なども必要になり、宅地はもちろんのこと、行政の許可が必要な農地ではなおさら時間がかかると考えておいた方が無難です。